第7回研究大会

と き:2014年11月8日(土)〜9日(日)
ところ:サテライトキャンパスひろしま(広島県広島市中区大手町1丁目5−3

  
※本研究大会は、大阪市立大学都市研究プラザの先端的都市研究拠点共同利用事業の助成を受け実施するものです


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11月8日

共通論題
 憲法25条ゆかりの地で、あらためて『最低生活保障』を問う
 ~原論・政策・運動の三領域から

 最低生活とはなにか?またそれを「ナショナルミニマム」としてどのような方法で保障すべきか?は、貧困研究がその草創期から一貫して問い続けてきた、いわば核心的論点といっても過言ではない。また、近年の生活保護基準の見直し、1950年以来初の改正となった2013年改正生活保護法の成立など、近年大きく動く、我が国の貧困問題にかんする政策動向を念頭におくと、これらの問いに取り組むことは、日本の貧困研究の喫緊の課題でもある。
 第7回大会の開催地・広島は、日本における最低生活保障をめぐる議論の理念的な参照点である「健康で文化的な最低限度の生活」を明文化し、日本国憲法第25条誕生に大きく寄与した社会政策学者・森戸辰男氏(1888年広島県福山市生まれ、広島大学初代学長)ゆかりの地である。そこで広島で大会を開催するにあたり、現地実行委員会としては、現代日本の最低生活保障の動向をにらみつつ、上述の貧困研究の核心的論点に正面から向き合ってみたいと考え、それを共通論題としてとりあげる。具体的には、この論点にかかわる三つの領域、(1)最低生活保障をめぐる原論(哲学)、(2)最低生活保障をめぐる政策論、(3)最低生活保障を要求する専門家・市民・当事者による運動、のエキスパートを招きシンポジウムを企画した。このシンポジウムにおいては、今激動のなかにある我が国の最低生活保障の現在と今後の展望をめぐる活発かつ建設的な議論が、登壇者のみならず会員・非会員参加者の間で交わされることを期待している。

報告1:「ナショナルミニマム保障の哲学」
    堅田香緒里さん(法政大学)
報告2:「最低生活保障の具体的参照基準:誰が、どのようなデータを使い
どのように決めるのか?」
    岩田正美さん(日本女子大学)
報告3:「生存権保障をめぐる運動の今」
    稲葉剛さん(特定非営利活動法人自立生活サポートセンター・もやい)

討論
 コーディネーター 青木紀さん(名寄市立大学)

 


11月9日

分科会1:
ドイツの最低生活保障基準決定とその検証の在り方をめぐる違憲判決
 ヨハネス・ミュンダー(ベルリン工科大学法学部教授)

分科会2:住まいの貧困調査(中間報告)

  • 「首都圏における不安定就業者の居住実態について」東京チーム
  • 「名古屋における不安定就業者の居住実態について」名古屋チーム
  • 「大都市における低家賃民営借家ストックの変化に関するデータ分析」
     
式王美子(立命館大学)

自由論題報告

  • 「フード・バンクの今日的意義ーレスト・ド・クールの事例から」
     佐藤順子
(佛教大学 福祉教育開発センター)
  • 「ワーキングプアの計量分析」 村上雅俊(阪南大学)
  • 「反転する「最低賃金と生活保護の逆転現象」〜生活保護基準引き下げの影響〜」桜井啓太(大阪市立大学人権問題研究センター)
  • 「社会的弱者の「被災後」から「平常時」の生活を支える制度の探究〜住宅手当に焦点を当てて」岩永理恵(神奈川県立保健福祉大学)