『貧困研究』第5号

2010年11月

出版:明石書店
定価:1800円

編集委員
青木 紀(北海道大学)※編集長
岩田正美(日本女子大学)
布川日佐史(静岡大学)
福原宏幸(大阪市立大学)
松本伊智朗(札幌学院大学)

巻頭のことば

 今日の「無縁社会」をどうとらえるか(岩田正美)

特集1●日本の貧困は「地方」にどう立ち現れているか

 北海道における高齢者の貧困(大友芳恵)
 東北地方における貧困――ひとり親家庭および子どもの貧困を例にして(丹波史紀)
 近畿地方A県における多重債務と貧困――聞き取り調査結果を中心に(佐藤順子)
 和歌山県新宮市における地域福祉活動と生活困窮者支援(稲田七海)
 九州地方における貧困――大分の一般世帯および野宿生活者の生活実態から(垣田裕介)

特集2●貧困測定の研究2

 (1)「流動社会」における生活最低限の実証的研究2――高齢世帯と母子世帯の家計状況の報告-貧困研究会・家計調査部会(岩田正美/岩永理恵/鳥山まどか/松本一郎/村上英吾)
 (2)近年の日本におけるワーキングプアの特徴と動態(五石敬路)

シリーズ:貧困研究の課題5 障害と貧困

 障害児者の貧困をどうとらえるか――重なり合う困難という視点から(藤原里佐)
 家計構造からみる成人期知的障害者のいる家族の貧困(田中智子)

この人に聞く 第5回

 宇都宮健児(弁護士、日弁連会長)貧困問題への日弁連の取り組みはまだ始まったばかり(インタビュー:布川日佐史)

投稿論文

 給付つき税額控除と子ども手当の貧困削減効果――マイクロ・シミュレーションによる分析(田中聡一郎/四方理人)
 児童養護施設で生活する子どもたちの退所の様相――生活過程の縦断調査の結果から(谷口由希子)

書評論文

 青木紀著『現代日本の貧困観――「見えない貧困」を可視化する』(小西祐馬)
 テス・リッジ著『子どもの貧困と社会的排除』(大澤真平)

海外貧困研究動向

 インドにおける貧困研究の動向――‘Inclusive Growth’をめぐる二つの論点(佐々木宏)

国内貧困研究情報

 1 注目すべき調査報告書 母子世帯の子どもの教育機会と修学保障(山野良一/湯澤直美)
 2 興味深い実践を知る 中高生が学ぶ現代日本の「貧困」(久保田貢)

貧困に関する政策および運動情報

 2010年1月~2010年6月(山田壮志郎/五石敬路/鳥山まどか/村上英吾/北川由紀彦)