『貧困研究』24号

2020年06月

出版:明石書店
定価:1800円+税

編集委員

松本伊智朗(編集長)
湯澤直美
山田篤裕
垣田裕介
阿部彩
岩永理恵
五石敬路

巻頭のことば

[岩永理恵]

緊急提言:コロナウイルスと貧困問題

[布川日佐史]

特集 最低賃金引き上げのための運動論・政策論――防貧としての最低賃金――貧困研究会第12回研究大会共通論題より――

総論:問題提起、論点と全体のまとめ[中澤秀一]
最低賃金大幅引き上げ要求の画期性――労働運動と反貧困運動の共通地盤をさぐる[後藤道夫]
韓国における最低賃金の政治過程と労働組合の戦略[安周永]
AEQUITASと最低賃金1500円[齋藤道明]
問題を可視化し、政府や議会に働きかけるには[岩藤智彦]

小特集 子どもの貧困対策の動向と自治体

座談会 子どもの貧困対策の動向と大綱の改正をめぐって[宮本みち子・末冨芳・萩原久美子・岩永理恵/湯澤直美]
報告と議論 自治体における子どもの貧困調査
概要報告[松本伊智朗]
鹿児島市子どもの生活に関するアンケート調査について[富永なつ美]
越前市子どもの未来応援計画の特徴について[岩佐奈智・橋本達昌]
世田谷区平成30年度子どもの生活実態調査[増井賢一]
自治体において子どもの貧困調査を実施する意味[山野良一]
自治体による子どもの貧困調査の意義[阿部彩]

投稿論文

公的扶助論の受講が生活保護の漏給防止意識に及ぼす影響[山田壮志郎・斉藤雅茂]
「無料低額診療事業の運用実態聞き取り調査」報告[阿川千尋]

書評・図書紹介

書評 室住眞麻子著『家計から診る貧困――子ども・若者・女性の経済的困難と政策』[鳥山まどか]
私の本棚:お茶でも飲みながら……[岩田正美]
図書紹介 『ポバティー・サファリ――イギリス最下層の怒り』/『教育格差――階層・地域・学歴』/『生活保護と貧困対策――その可能性と未来を拓く』/『子どもの貧困調査――子どもの生活に関する実態調査から見えてきたもの』

国内貧困研究情報

東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクト:石田浩監修『格差の連鎖と若者』シリーズ[石田浩]
貧困研究会第12回研究大会 自由論題 報告要旨
①貧困理論の陥穽[高田一夫]
②日本におけるエネルギー貧困と主観的生活満足度[伊川萌黄]
③生活保護ケースワーカーの意識と福祉事務所の組織体制――29福祉事務所のアンケート調査から[小澤薫・木下武徳]
④生活保護の漏給防止志向はどのように形成されるのか?――福祉系大学における「公的扶助論」受講者調査より[山田壮志郎・斉藤雅茂]
⑤仙台における「大人食堂」の取り組みの意義――労働運動と反貧困運動の新たな結合[渡辺寛人]
⑥無料低額診療事業の現状と利用実態の聞き取り調査[阿川千尋]
⑦救護施設入所者の地域生活移行支援に関する意識調査[阿部正美]
⑧韓国の「子どもの貧困の予防及び支援等に関する法律」の施行状況からみる子どもの貧困政策の現状と課題――貧困の予防の視点からの一考察[朴東民]
⑨生活保護制度と子ども・中卒者・中退者に関する研究――文献レビューを通じて[孫応霞]
⑩ケース記録における経済状況の記載の詳細化について[泉田信行]
⑪寡婦世帯の生活状況と子どもの関係に関する研究[張思銘]
⑫未婚シングルマザーの社会関係――北海道ひとり親家庭生活実態調査を通して[江楠]
精神保健福祉士養成課程における科目
「低所得者に対する支援と生活保護制度」の廃止について[松本伊智朗]

貧困に関する政策および運動情報

2019年7月~2019年12月[三宅雄大]